『鬼滅の刃』の絵がスゴイのは、“作画”よりも〇〇の力? ジブリと正反対のアニメーション思想とは から続く

 10月16日に劇場公開された「劇場版鬼滅の刃無限列車編」がすさまじいスピードで興行収入を伸ばし、12月7日時点で288億円を突破しました。いよいよ今週末には300億円の大台、そして年内にはジブリ映画千と千尋の神隠し」が持つ「308億円」の日本映画史上最高記録の更新も確実視されています。

 この「鬼滅」の歴史的快進撃を受けて、文春オンライン編集部では全てのアニメーション作品を対象に、メルマガ読者で決める「自分史上最高のアニメアンケートを行いました。文春オンライン上での投票に加えて、200人の方への街頭アンケートの投票も集計には含まれています。

 アニメーションであれば映画作品もテレビシリーズもOK、国内作品か海外作品かも問いません。同一タイトルシリーズ作品は「1つの作品」として集計します。

 今回のアンケート10月29日から11月30日まで行われ、好きなアニメ作品を3~7組、挙げてもらいました(1位=8点、2位=7点、3位=6点、4位=5点、5位=4点、6位=3点、7位=2点)。回答者の男女比は6:4、18歳から84歳までの幅広い年齢層から2618もの投票をいただきました。

「自分史上最高のアニメ」上位20作品を、カウントダウン方式で紹介していきます。


20位 銀魂

 2021年新春に映画「銀魂 THE FINAL」の公開を控える「銀魂」。原作漫画は2019年に完結しましたが、ついに本当のラストを迎えることになります。ギャグパートシリアスパート、それぞれのファンから投票が集まりました。

スタッフが楽しんでるのが良い意味で伝わり、アニメを通して視聴者コミュニケーションを取ってた作品だと思う。オマージュパロディの本気度に笑わせられる」(女性・32)

「『この前で予算使い切ったから総集編』とか、お金がない! ってはっきり言いきった珍しい作品」(女性・49)

「原作を超えられないアニメが多い中で、アニメスタッフや声優さんたち、関係者のみなさんが本当に銀魂が大好きなのが伝わってきて最高の出来でした。来年の映画も楽しみ」(女性・32)

「いつもは軽いのに、やる時はやる。坂田銀時が本当に格好良くて、アニメはそこを前面に出してて嬉しかった」(女性・59)

ギャグマンガの最高傑作」(男性・45)


18位 進撃の巨人

 TVアニメ進撃の巨人 The Final Season」がNHKで現在放送中の「進撃の巨人」。2013年Season1から人気が爆発。重厚で先の読めないストーリーと、声優たちの名演に票が集まりました。

「大人になってからアニメを見なくなっていたが、久しぶりに見てハマった作品。次の展開が気になって仕方がなかった」(男性・48)

「原作ではイメージしづらい立体的な動きと、巨人のキモさがアニメになってよくわかった」(男性・56)

「出演声優の命を懸けた演技が素晴らしい! 最後まで見届けたい」(女性・40)

「予想を覆すストーリー展開に、新鮮な驚きを感じました」(男性・65)

ストーリーの世界観が壮大。立体機動装置をつかって戦うアクションシーンの疾走感は素晴らしい」(女性・64)

「OP映像の熱量が素晴らしくて、本当に何度も何度も見返しました」(女性・39)

「声優さんがハマってて、特にリヴァイ役の神谷浩史さんが抜群に素晴らしく、ファンになってしまいました」(女性・59)

「物語が進むにつれ巨人の正体やなぜ壁が築かれたのか、壁の向こうには何があるのかがわかりエレンの心情が変化していくところが面白い」(男性・60)

「このキャラを死なせて大丈夫なの? というくらい重要キャラが死んでいく絶望感が凄い」(男性・32)

「恐ろしい数のキャラクターが登場するも、みんな個性的で素晴らしく感情移入できます。アニメ版はキャラクターデザイン、絵柄も綺麗で引き込まれます」(女性・46)


18位 千と千尋の神隠し

 現時点で日本映画の興行収入記録を持つと同時に、2003年アカデミー賞長編アニメーション部門を受賞するなど世界的な評価も高い「千と千尋の神隠し」。ジブリ特有の映像美と、裏設定も含めた解釈の楽しさを指摘する声が多く集まりました。

「楽しいワイワイガヤガヤのお祭り騒ぎがなんともロマンチックだった」(男性・43)

「どの登場人物も素敵で、映像や音楽に心が洗われる」(女性・20)

「こんなにリアルなものはありません。両親が豚になってご飯にかぶりついている様子が一番の感動です」(女性・33)

「『カオナシって何だろう』と考えさせられた」(男性・66)

「宮崎アニメの完成品」(男性・76)

「設定が奇抜なのに進行はわかりやすく、初めて娘を連れてアニメを見にいったが大人も子供も楽しめた」(男性・63)

「期待しないで行って、感動して帰ってきたあの気持ちは忘れない」(女性・60)

「非現実だけど世の中の事ともリンクしていたりハラハラしながらも温かい気持ちになれるしキャラもみんな愛しい」(女性・60)

高校生の頃に、生まれて初めて映画館へ何度も足を運んだ作品」(男性・40)

「千尋の成長だけでなくハクやカオナシなど周りのキャラ全てが主人公とともに成長し助けられていくところに心打たれつつ、もうあの場所に行けないという出会いと別れの壮麗さをひしひしと感じられる」(女性・22)

17位 新世紀エヴァンゲリオン

 1995年の放送開始から日本中の若者の心をわしづかみにし、後のアニメに大きな影響を与えた「新世紀エヴァンゲリオン」。救いのない展開やネガティブ主人公、そして想像をことごとく裏切るストーリーが記憶に残っているという投票が多く集まりました。

「珍しいほど暗く逃げ腰な主人公に、驚きのストーリーキャラ、映像などのすごさにも驚かされる作品」(女性・22)

「設定やテロップの入れ方、全てが斬新で話の展開もテンポよく、分からないようで分かるようで…どハマりしました」(女性・39)

「多角的に論じられるサブカルチャーとしてのアニメ、国際的人気コンテンツとなったジャパニメーション産業、そうしたイメージを改めて一般社会に浸透させ、今日までの日本製アニメの方向性を決定づけた」(男性・58)

エンディングテーマアレンジが毎回楽しみでした」(男性・65)

フィギュアコンビニ一番くじTSUTAYAさんで貰えた綾波レイの袋にデアゴスティーニ……全て集めて大切の保管しています。エヴァの事をロボットでしょ? と言う人がいたら『汎用人型決戦兵器だよ!』と言います」(女性・29)

「あのくら~い感じが好きです。シンジはいつも「僕は何のために生きているのか」と自問自答していて、胸が痛くなりました」(女性・64)

「電源切れる、とかいままでのロボット(?)アニメにはないリアルさ。風呂敷広げてちゃんと畳まない、それがよかった」(女性・49)

劇場版を含めて、作画、演出、世界観など何をとっても最高の傑作」(男性・46)

子どものころに見たOPの映像と曲は衝撃的だった。斬新でスタイリッシュな動きをするエヴァンゲリオンに毎週引き付けられた」(女性・31)

「『残酷な天使のテーゼ』『魂のルフラン』『心よ原始に戻れ』の3曲は今でも私のカラオケ十八番です」(男性・56)


16位 天空の城ラピュタ

 1986年に劇場公開されて以来、テレビでの放送回数はなんと17回。そして17回目ですら14.5%の視聴率を記録した国民的作品。印象的な「空」の描写を挙げる声が多く、ジブリ作品の中でも際だった爽快感を評価する人が多くいました。

「音楽がいい」(男性・45)

「壮大なストーリーに見せかけて、実は純粋なラブストーリー。あの後、主人公二人がどうなったのかを想像するとロマンチックになる」(男性・65)

「こんな良く出来た冒険活劇は他にないと思います」(女性・39)

「観るたびに初めて見た時のワクワク感がよみがえります」(男性・41)

バルス! がとても心に残る」(男性・56)

飛行石の発想が素晴らしいし、ロボットたちや空賊の人たちの描写がいい」(男性・64)

「映像を見ている自分が空を飛んでいる様な気持ちになれる」(女性・62)

アニメーションの動きの面白さがよく表現されていて、テレビで何度も再放送される理由が分かる」(女性・28)

「お城の壮大な感じが忘れられません」(女性・62)

「何度見ても、雲の中からラピュタが出てくるところはドキドキする」(女性・43)

「子供の頃に見て、はじめて感動したアニメ映画シータの意志の強い女性像にも憧れました」(女性・40)

食パン目玉焼きというシーンが美味しそうで、真似してよくやってました」(女性・39)


15位 あしたのジョー

 1970年に始まったTVアニメ第1期から社会的な大ブームとなりましたが、それ以上に1981年に完結した「伝説の最終回」に言及する声が多数寄せられました。漫画でも破天荒必殺技の数々が、アニメ版ではさらに衝撃度を増しています。

「厳しい環境の中、ジョーを取り巻く人達がとても温かくて、涙がでます」(女性・64)

「昔はジョーに人生を学んだが、今では丹下段平に人生を学べる」(男性・68)

「人生に何一つ有利な条件を持っていないジョーが唯一持っているボクシングの才能を生かして、人生を切り開いて行くひたむきな姿に心を打たれた」(男性・43)

テーマ曲が耳から離れない」(男性・55)

「自分も少年院出身だから」(男性・61)

「矢吹丈のライバル力石徹が逝った日、全国各地で葬儀が執り行われた程、私たちを魅了した名作」(男性・56)

「力石、最高」(女性・66)

ジョーの孤高な生き様、女が入り込む余地がない力石との友情に痺れて、ジョーのことばかり考える日々でした」(女性・54)

「白い灰になっちまった。ジョーは死んでしまったの? 未だに解けない疑問」(男性・56)

「まさしく、男の気迫、男の執念、そして、男の友情を見事に指し示したアニメだと思う。迸るライバル心と、目標に向かって戦う熱い心と男の友情。そのなかには、強烈に解き放たれている眩しい光と、人生のレールも見え隠れしている」(男性・52)


14位 風の谷のナウシカ

ジブリと言えば空を飛ぶ女の子」というイメージを確立した「風の谷のナウシカ」。当時の時代背景ともリンクした環境問題や文明論的な深みと同時に、主人公ナウシカも大人気に。ちなみに1984年に映画が公開された時は、スタジオジブリはまだ前身のトップクラフト名義でした。

「10回以上は見ているのに、見るたびに新たな感動を覚える。見るたびに、新しいシーンの発見がある。そしてまた見たくなる」(女性・81)

「宮崎監督自身も続編を作らないほど唯一無二の傑作アニメです」(男性・53)

「壮大な物語と世界観」(女性・41)

「戦争とはなにか、争うことの意味、人間が如何に害悪をもたらすものであるかをいつも教えてくれる」(女性・45)

「はじめてアニメの女性キャラに惹かれた」(男性・46)

「きれいな心が最後に周りをうごかす。こうあったらいいなとつくづく思った」(男性・43)

「環境問題を考えさせられます。出てくる虫の造形というかデザイン面白い」(男性・55)

「年齢を重ねるにつれ、内容の重みや戦う意味など理解できるようになった」(女性・40)

「文明論をアニメで語られるとは思わなかった衝撃」(男性・58)

ヒロインが魅力的なのはやっぱりナウシカ」(女性・62)


13位 ワンピース

 1999年TVアニメ版のスタートから、現在も放送中で950話を突破している「ワンピース」。投票の中ではTV版もさることながら、これまでに14本作られている劇場版で「泣いた」という声が多数寄せられました。

「最も大切なものは形ある物ではなく、貴い心だと教えてくれる」(男性・60)

トレジャーハンターアクション、友情と大人も子供も大好きな話が満載。主人公をはじめサブキャラクターの成長も楽しみ」(男性・57)

「もはやこれは大河ドラマですね」(男性・57)

「仲間の友情によく泣いた」(女性・41)

「友情、絆の塊のような作品。何度泣いたか分からないしどれだけ笑ったかもわからない。アニメ界の金字塔です」(女性・51)

チョッパー編の映画が号泣だった」(女性・59)


12位 スラムダンク

 アニメ版の開始は1993年全盛期マイケル・ジョーダンがけん引したNBAブームと相まって、日本中にバスケットボールブームが巻き起こりました。いまでも度々引用される名セリフの数々が心に残っているという声が多く寄せられました。

バスケットボールを題材にした作品が、あそこまでブレイクしたって画期的。マンガも読んでいたけれど、この作品をキッカケにNBAも見る様になった」(男性・44)

バスケット初心者の桜木花道が次第に上達していく様子が面白かったです。安西先生の『あきらめたらそこで試合終了ですよ』の名言が印象的なシーンでした!」(男性・41)

「熱い熱すぎる、青春バスケアニメといったらこれ」(男性・38)

「昔から流川の大ファンで、試合で活躍してると晴子さんみたいに思いっきり『キャー』ってなる。アニメ再放送でまた虜になった。大黒摩季さん、MANISH、WANDS…流れると気分爆上がりです」(女性・39)

「三井の『バスケがしたいです』が最高!」(男性・50)

バスケットボールをやっている人間にとっては絶対外せない作品。他の作品にありがちな現実離れしたプレイはなく、同じ目線で描かれているのが素晴らしい。終わり方も絶妙」(男性・36)


11位 サザエさん

 1969年の開始から放送期間は51年を数え、これはもちろん「世界で最も長く放映されているテレビアニメ番組」としてギネスにも世界記録として認定されています。小さい頃から見ていた作品が今も同じ世界観で続いていることに「ほっとする」という声が多く、特に女性からの票を集めました。

「見ていると今の時代にないゆっくりとした時間が流れていて落ち着く」(女性・27)

「癒される」(女性・47)

カツオが初恋です」(女性・62)

日曜日の夕方に放送されていました。明日からまた会社かと憂鬱になる時間ですが、子どもと一緒にみていると、子どものため、かみさんのために頑張ろうと、気を引き締めたものです」(男性・70)

「30年以上見続けてます。それでも飽きません」(女性・39)

「これはなくさない方がいいアニメだと思う。今どきのアニメばかりじゃない方がいいから」(女性・56)

「現実生活に嫌気がさしてくると、サザエさんちの裏のおじいちゃんの家の孫として登場し、アニメの世界に入りたいと思い続けている」(男性・47)

日本人ならルーティンになってる番組だと思う」(女性・51)

「これからも長いお付き合いをして欲しいお友達」(男性・83)

10位 となりのトトロ

1960年前後を舞台にした「となりのトトロ」。1988年に公開された時点でもノスタルジックな雰囲気をまとっていましたが、その“なつかしさ”は30年以上たっても色あせていません。

「音楽、映像、展開が全て相乗効果を生み出している。大人も楽しめる文学的で繊細なわびさびが込められている」(女性・62)

「登場人物がみんな良い人、田舎の風景が美しい、純粋な子ども心に癒される、後味が良い。子どもに見せたくなる」(女性・56)

サツキとメイの愛らしい顔が思い出されてならない。展開や結末はわかっているはずなのにテレビで見てしまう。サツキの姉ちゃんぶりに恋してしまい、メイの可愛さに虜になってしまう」(男性・65)

「姉妹がいじらしくて、何回見ても泣けます」(女性・62)

「深く考えずに楽しめるし、深く考えても楽しめる」(男性・50)

「日本を感じるから」(男性・43)

「童心に帰ることが出来、古きよき昭和の生活や風景も素敵」(女性・49)

トトロがかわいらしくて癒される」(女性・72)

「何よりステキなのはお隣のおばあちゃん。『よーくこぎなぁ。水がちべたくなるまで』あのセリフが大好きです」(女性・64)

サツキちゃんや勘太くんがちょうど私と同じくらいの年代で、ズボンや上着、靴下などツギハギが当たり前の時代でした。バスも女性車掌さんが当たり前のようにいました」(男性・69)

「本気でトトロに会いたく、ネコバスに乗りたく思ったものです」(女性・56)


9位 ドラゴンボール

 1986年の放送開始から「Z」、「GT」、「改」、「超」、と続いたTVシリーズに加え、20本もの劇場版に幅広く票が集まりました。幅広い世代に支持されましたが、中でも30代~40代の支持率は圧倒的。海外での知名度を物語るエピソードも寄せられました。

「鉄棒にぶら下がってスーパーサイヤ人の真似をみんながしていた」(女性・31)

「宇宙規模の最強の格闘アニメだから」(男性・40)

「時代そのものと言える作品」(男性・40)

「摩訶不思議な世界とはまさにこのこと。子供の頃、舞空術の練習をどれだけしたことか。笑いあり涙あり名言あり」(男性・36)

小学生の頃、アニメや漫画を模写したりポーズや発言を真似したものです。今で言う厨二病」(男性・40)

「南総里見八犬伝をモチーフにしながら、中国の春秋戦国時代のような壮大さがある」(男性・58)

クリリンは何度死んでも生き返っていた印象があります!」(男性・39)

「私の青春時代そのもの。映画見るときは最前列でクビを痛くしたり、後ろで立ち見でよく見てたのが懐かしい(笑)」(男性・38)

「子供のころ、いつかかめはめ波がうてると信じていました」(女性・43)

「海外の学校に転校して言葉がわからない私に、クラスメートが最初にかけた言葉は『かめはめはー』でした」(女性・44)

オープニングの曲も好きでした。ベジータ様のカッコよさ、声も素敵ですよね」(女性・36)


8位 宇宙戦艦ヤマト

宇宙戦艦ヤマト」は1974年に放送開始。高度成長期を経て日本が敗戦から立ち直っていく中で、「ヤマト」の登場は当時の人々に衝撃を与えました。ささきいさおさんが歌う主題歌の印象も強く、「つい歌ってしまう」という声が寄せられました。

「当時としては映像が綺麗だったし、女子高生がみても楽しめた」(女性・60)

「最強軍艦大和が、254年後に宇宙戦艦として蘇り、人類を救う為にイスカンダルへ旅立つという西崎義展の企画構想、松本零士メカニックキャラクターデザイン、いずれも秀逸」(男性・56)

「森雪は青春時代ベストヒロインです」(男性・63)

タミヤ模型のウォーターラインシリーズに熱中していたこともあり、夢中で見ていました。ガミラスの罠にかかった絶体絶命ピンチから脱出したシーンには手に汗を握りました」(男性・57)

「人が備えている人類愛を宇宙での壮大な戦闘の中に見事に描いているところ。主題歌を聞くと思わず口ずさみ、こみあげてくるものを感じた」(男性・77)

ハッピーエンド大団円で終わらないというのは結構画期的だった」(女性・53)

「SFアニメの元祖で最高峰」(男性・57)

「戦艦を宇宙に飛ばすという発想はすごかった」(男性・57)

7位 鉄腕アトム

 1963年に始まった「鉄腕アトム」は、30分テレビアニメシリーズとしては日本で最初の作品です。リアルタイムでその放送を見た60代~70代の支持を受けました。日本が初めて目撃したアニメ、と言ってもいいでしょう。

昭和30年代の貧しく屈折した時代の子供たちの心を救ってくれました。どれほど勇気をもらったか分かりません。手塚治虫先生とお会いして、握手をして頂いたあのふっくらと、そして、大きな手は忘れません。サインと一緒にレオの顔を描いて頂いたTシャツは宝物です」(女性・65)

「生まれて初めて見たアニメ」(男性・68)

「最後に太陽に突っ込むシーンは泣きそうになった」(男性・61)

「日本最初の本格テレビアニメであり、毎週放送するために、いかに短期間で制作するかを手塚治虫さんたちが知恵を絞った名作。白黒でしたが、清水マリさんをはじめ多くの声優の皆さんの声がキャラクターにピッタリ合ったもので、とても生き生きと感じられました。アトムの歩く音も未来的な感じがして、子供心に焼き付いて忘れられないアニメです」(男性・65)

「好きな漫画に音が付き、動くことに感動した。特に、初めて飛んだ時のアトムの驚きが見ている者に伝わってきた」(男性・66)

「特に『地上最大のロボット』篇は出色」(男性・58)

「白黒なのに色を感じた。勧善懲悪と言うところが非常に良かった」(男性・66)

「白黒の14インチTVの中を飛び回っていた。驚きでした」(男性・70)


6位 ドラえもん

 現在も「STAND BY ME ドラえもん2」が公開されている「ドラえもんシリーズTVアニメ1973年に開始され、一度は終了したものの、1979年に再開されてからは現在まで支持され続けています。過去40作ある「大長編(映画)」への票も多く集まりました。

「世界で愛されているドラえもん。海外で君のことをどれだけ見たか。君の歌も日本語で歌われているよ」(男性・65)

「子供が叶えたい夢が詰まっているところが良い」(女性・43)

「なくした大切なものを呼び戻す映画。家族皆で観られて皆幸せな気分になれます」(男性・54)

「初めて映画館で観た映画が『のび太の宇宙開拓史』で、ラストで思わず涙したのを憶えています」(男性・48)

「『こんなこといいな、できたらいいな』というフレーズは、当時の子供みんなが共感できただろう」(男性・52)

ドラえもんの道具で欲しい物と言ったらどこでもドアタケコプター、本音はスペアポケットが欲しい!」(女性・46)

旧声優陣の、大長編(映画)が大好きでした。ワクワクしながら観ていました」(女性・40)


5位 ルパン三世

ルパン三世」のTV放送は1971年からスタート。10本以上ある劇場版に加え、「金曜ロードSHOW!」枠でのTV版長編の人気も高いです。峰不二子に象徴されるちょっとセクシーな場面にドキドキした、という声も多くありました。

昭和40年代に登場した、こちらも宮崎駿高畑勲が携わったアニメ。何度も再放送されていたのは大人の鑑賞にも堪えるアニメだから」(男性・55)

カリオストロの城クラリス可愛いルパンいい男。銭形のわざとらしさ。みんな魅力的」(男性・62)

テレビ版の最初のシリーズ前半の、モンキー・パンチ先生の原作を彷彿とさせる殺伐とした雰囲気が素晴らしい。容赦なく殺し奪う若き日のルパンと次元、そして敵対しつつも次第に心を許して行く五エ門、彼らを追う敏腕刑事である銭形、以後のシリーズより圧倒的に敵に近い立ち位置の峰不二子」(男性・45)

「それまでのアニメとは違う感覚が衝撃的でした」(男性・60)

キャラストーリー、設定、すべてがなんて粋なんだろう、なんてお洒落なんだろうと大興奮したのをよく憶えている」(女・60)

「『カリオストロの城』のラスト、銭形の『あなたの心です』に対して、クラリスが顔を輝かせて答える『はい』が実に美しい」(男性・65)

アニメルパン最高です。かっこよくてコミカルで理想の男性」(女性・35)

「子供ながらにルパンかっこいい、不二子ちゃん色っぽいと思った。大人になっても楽しさは色あせていない。私はこの原作は外国人作だと思っていました。あまりにも話や登場人物がおしゃれだから」(女性・46)

銭形警部が時としてルパン側に立つのも見ていて楽しいです」(女性・57)

4位 巨人の星

巨人の星」のTVアニメ放送開始は1968年。当時は巨人人気が最高潮に達した「V9時代」の真っ只中。そんな巨人人気を背景に、スポ根を日本に定着させた作品です。「自分も野球をやっていたので」という票の多さに当時の野球人気の高さを感じます。

「星飛雄馬と父・一徹の葛藤、父の果たせなかった夢に向かい頑張る姿、父と飛雄馬の間で頑張る、姉・明子の献身的な努力が記憶に残ります」(男性・71)

「私も野球少年でしたので、剛速球を繰り出す飛雄馬にあこがれました」(男性・62)

「燃える瞳が忘れられない」(男性・57)

「苦難しかなかった!」(男性・50)

主題歌を口ずさむほど夢中で見ていました。星飛雄馬、花形満や左門豊作などの真似をして、野球をしていました」(男性・63)

「『根性』は好きじゃないが、今では通用しない規律・生活様式が懐かしい」(男性・61)

「野球を始めるきっかけであり、我が子3人をスポーツの世界に引き入れて自分がコーチとなるきっかけ。目指す父親像として私のバイブル」(男性・56)

「男兄弟の中で育った女の子でも一緒に見てました」(女性・63)

長嶋茂雄を『神』と崇めた私たち『巨人・大鵬・卵焼き』世代を象徴する名作。近所の空き地で『大リーグボール2号(消える魔球)』が何故消えるのかを毎日夕暮れまで実証実験していました(笑)」(男性・56)

「今は『根性』と言う言葉が死語になりましたが、スポ根をはやらせた作品だと思います。涙と根性の作品でした」(男性・62)


3位 機動戦士ガンダム

 1979年にTV放送が開始された「機動戦士ガンダム」は、「スターウォーズ」の第1作(1977年)とともに日本に一大SFブームを巻き起こしました。多くのTVシリーズオリジナルビデオシリーズ、そして劇場版などが作られ、各世代の支持を集めました。来年5月にも劇場版閃光のハサウェイ」が公開予定です。

ファーストシリーズがやはり最も思い入れが強いが、その後のゼータSEEDなど好きなシリーズも多く40年以上経っても飽きる事が無い。登場キャラも非常に魅力的で特にシャア・アズナブルは全アニメの中で最も好きなキャラクター」(男性・52)

「1話1話無駄が無く楽しめました。レベルの高い作品です。アムロシャアの対比が良い」(女性・48)

「幼少期にロボットアニメを見ていた自分にとって、仲間が死んでいくことや、敵には敵の事情や信念があるというごく当たり前のことを気づかせてくれた。主人公スーパーな存在ではないことにも影響を受けた」(男性・48)

一方的に正義と悪で区別するようなアニメなどが多かった中でどちらにも正義があるというのをわからせてくれた作品」(男性・46)

「素直にキャラクターがかっこいいのと世界観がしっかり描かれていたから」(男性・52)

リアリティと未来の予感」(男性・51)

「とにかくモビルスーツカッコよさ! ガンプラは買い漁った!」(男性・50)

「あの時代にこの作品を生み出したことに驚きしかありません」(男性・47)

リアルタイムで見ていたし、ガンプラもどれだけ作ったことか。知らない土地で、学校や会社へ行っても1人は話の合うファンがいる。コミニュケーションツールにもなります」(男性・52)

「精神的に不安定なアムロより、復讐のために冷静に事を進めていくシャアカッコ良かった」(男性・52)

「子供の頃夢中になって見ていたアニメ。まさか40年経った今でもこんなに愛されているとは、当時は想像もしてませんでした」(女性・56)

2位 名探偵コナン

 1996年にTV放送が開始した「名探偵コナン」。劇場版春の風物詩となり、右肩上がりで興行収入を伸ばし続けています。「ルパン三世」や「市川海老蔵」などとのコラボにも積極的で、ファン層を広げ続けています。

エンタメ・教育用漫画としても価値あり」(女性・35)

土曜日の夕方はこれ! という定番アニメだけど、毎回複雑な謎が好奇心くすぐります」(女性・26)

「一話完結が基本だがストーリーものとしての魅力もある。完結まで追いたい」(男性・29)

劇場版の『ベイカー街の亡霊』は素晴らしい出来です。コナンらしからぬストーリーの深みがあります」(女性・35)

「大人から子供まで皆に愛され、これだけ長く毎年映画化されているアニメは見たことが有りません」(男性・46)

「推理をすることも面白いのですが、新一と蘭などの登場人物達の恋愛模様も私が好きな理由の1つ。まるで恋愛ドラマのような感じもする」(女性・18)


1位 鬼滅の刃

 第1位は、現在まさに一大ブームを巻き起こしている「鬼滅の刃」でした。2019年のTV版放送開始から一気に火がつき、原作漫画が今年5月に終了してからもその勢いは止まらず、劇場版無限列車編」が日本のあらゆる興行収入記録を塗り替えています。投票の中でも、若年層から圧倒的な支持を受け、普段はアニメを見ないけれど「鬼滅の刃」だけは特別という声も多く聞かれました。アニメの枠を超えて社会現象になっていることを見せつけました。

「とにかく炭治郎の澄み切った心が心地よく、周りの人間も彼に感化され、良い方向へ引っ張られていく。アニメクオリティも申し分なく、声優の起用法も意図的だなぁと感じた。鬼が超大御所ばかりで、それに立ち向かう若手や中堅という構図が現実とリンクしている」(女性・40)

「個々のキャラクターの小道具や服装などがお洒落で好きです」(女性・50)

アニメストーリー主題歌が最高に合ってて相乗効果でテンションがどんどん高くなる。敵側も単なる悪者という描き方ではなく回想で深堀してくれるとこが全体の完成度が高いと思います」(女性・64)

「鬼退治の話の中に家族愛、友情、鬼側の事情など丁寧に描かれていて、アニメを観ながら号泣することもしばしば。アニメも綺麗だし、この歳にしてびっくりするくらい夢中になりました。映画も最高でした」(女性・54)

「煉獄さんの声優さんの熱演で、初めて声優の演技ってすごいなと思った」(女性・48)

「制作会社のすばらしい背景や動きで引き付けられる作品でした。声優の方も合ってて続きを見たいです」(女性・48)

子ども達に買い与えたコミックを読んで、すっかりハマってしまいました。それからアニメを見たのですが、映像の美しさと原作に忠実で世界観が変わらないところが素晴らしいと思います」(男性・60)

「鬼は敵だけど最期にそれを包み込む炭治郎の優しさで救われたりするところが好きです。柱も強いだけではなくてみんないろいろ背負っていて、応援したくなります」(女性・41)

「絵に力があり、家族愛をベースとしながら鬼に堕ちる理由、殺すことで救われる魂なども丁寧に描かれているところに愛を感じます。我妻善逸キャラクターもとても好きです」(男性・58)

「緻密で、言葉の力も感じる」(女性・50)

「親子で共通の話題ができる素晴らしい作品です」(女性・43)

「転職活動中に炭治郎の負けん気に元気付けられました(笑)」(男性・24)

アニメから漫画を見るようになりました。映画も友達と一緒に観に行きました。竈門 炭治郎が好きすぎて自分で服作っちゃいました」(女性・26)

 たくさんの投票、ありがとうございました

「自分史上最高のアニメ」と並行して10月22日から11月30日まで実施した「『鬼滅の刃』好きなキャラクターアンケート」にも958票の投票をいただき、ありがとうございました

 結果は、竈門炭治郎が486ポイントを獲得して1位、2位には竈門禰豆子373ポイントで入り、兄妹でのワンツーフィニッシュとなりました。「週刊少年ジャンプ」47号で発表された“公式”のランキングでは1位だった我妻善逸は文春オンラインでは4位でした。

 以下にTOP5を紹介します。

5位 嘴平伊之助

イケメンなのにイノシシの被り物をしている面白さで一票。持っている刃こぼれしている日輪刀もカッコいい」(男性・55)

「『信じると言われたなら それに応えること以外考えんじゃねぇ!!』このセリフに痺れました。伊之助はずっとこのセリフを体現して、貫いている人」(女性・36)

「本当に成長した! 今回の劇場版である無限列車編では特にそう感じました。連係プレイなんて不得意中の不得意なのに、状況を判断し、彼もまた打ち勝つ上での真の強さを持ち合わせている」(女性・40)

4位 我妻善逸

「みんながボケに走るから、善逸が必然的にツッコミ役に。そのツッコミうざくなくって、いや、むしろ的確すぎて好きです」(女性・37)

碇シンジの完全ネアカ版。重苦しい物語の中でも善逸が登場するとホッと一息つける」(男性・52)

「珍妙なたんぽぽ、善逸くん。泣きながらもちゃんと頑張る善逸くんがかわいい」(男性・60)

「泣き虫で情けなくて母性本能をくすぐる。特にアニメではそれが顕著」(女性・41)

3位 冨岡義勇

「声が櫻井孝宏さん。顔が良い。色々背負っていても、淡々と仕事をする感じがカッコいい。クールなのにボケに回ることがあるのも良い」(女性・56)

鬼滅の刃の人気は『柱』が魅了的だからだと思う。煉獄さんみたいな熱いタイプではなく、義勇さんはあくまでクールカッコ良さ。ステキです」(女性・60)

「大人の読者は義勇の方に主人公性を感じるのでは。クールで共に戦う姿は頼もしいの一言」(女性・25)

「彼が即座に炭次郎と禰豆子の関係性、その『可能性』に気づけなければ、この物語は始まっていない。彼の優れた洞察力判断力を素直に羨ましく思う」(男性・52)

2位 竈門禰豆子

「兄妹愛を感じます。遺産相続などでもめている兄弟に是非見習ってほしいです」(男性・46)

「必死に、人間を襲わないのが好きです」(女性・42)

「魅力的な鬼ですよね。人を襲わないし、自身の体格操作できるってのも羨ましい」(女性・60)

「鬼にされてしまってなお『幸せかどうかは自分で決める。大切なのは“今”なんだよ。』と言える強さが羨ましい」(男性・48)

1位 竈門炭治郎

「鬱陶しく面倒なところがない主人公」(女性・45)

「今までに無いキャラクター。応援したくなる」(女性・54)

「家族の絆を大切にしてて、礼儀も正しい、勇敢な少年。子供たちのお手本にふさわしい主人公だと思います」(男性・24)

「漫画で主人公を好きになることはまず無いんですが、炭治郎の強さ、人間ならだれでもぶち当たる自分の中の弱さと戦い、努力で打ち勝つ姿に感動しました。彼の強さは、この生きづらいコロナ禍を何とか乗り切る力になります」(女性・40)

まっすぐで心がきれいでぶれない。見ていて一番気持ちのよいキャラクター」(女性・41)

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

劇場版「銀魂 THE FINAL」 公式サイトより


(出典 news.nicovideo.jp)

さてさて1位はなにかなぁ~

<このニュースへのネットの反応>